『えいがのおそ松さん』
2019年度作品
監督:藤田陽一
配役:佐藤利奈、ほか
配給:松竹 制作:studioぴえろ
深夜テレビアニメの映画版。映画では旧『おそ松くん』とをつなぐ橋渡しのよ
うな話になっている。6つ子は高校を卒業してるが、悲惨なほどの成れの果てで、
人間未満のクズ状態。
今回はネタばれを封印する。僕自身、ストーリー解釈に若干自信を持てていな
いこともある。
登場する黒猫が元クラスメートの高橋のぞみ(佐藤利奈)の想いを6つ子たち
に伝えようと努力している。猫の正体については何も説明がない。
エンドクレジットのあとで「実は…」というようなシーンが入る。状況説明が
不足してるので何が起こったのかが判然としない。その部分だけくり返し観て、
そういう話だったのかと、とりあえず思っただけ。
劇場でなら再確認不能だ。本編が終わった気でいるから注意力も低下してるだ
ろう。そんな時に微妙でさりげない、それでいてストーリーにとって重要なシー
ンを入れる。エンドクレジットのあとだから、すでに席を立った人もいるだろう。
こういう不親切な終わり方は以前もいくつかあった。『タイラー・レイク命の
奪還』はエンドクレジット前の一瞬、ピンボケ映像をさりげなく入れていた。こ
の場合は本編の内容に直接触れるものではなかったから許される。
『プレステージ』も似たようなエンド。こっちはストーリーに関わる。見落と
したままピントのずれた紹介文を書いた人もいた。
『えいがのおそ松さん』のように、見直しても判然としないものは困る。わか
りやすすぎるのも困るが、いくら考えてもわからないものはもっと困る。
名無しの黒猫
2021.9.3 |