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CINEMAテーブル 21世紀ベスト100




 毎年、CINEMAテーブルという小冊子を発行しています。冊子の体裁での発行は1991年からです。
CINEMAテーブル2019年度版
CINEMAテーブル2018年度版
CINEMAテーブル2017年度版


  内容見本(自分以外の末尾署名をぼかしました) CINEMAテーブル 内容見本  部数が少ないので市販はしていません。  希望される場合は、面倒をおかけしますが、メールをください(上にアドレスあり)。

  CINEMAテーブルから見える21世紀のベスト100 CINEMAテーブル2016年度版

CINEMAテーブル 内容見本

  内容見本(他の参加者の了解を得ていないので、僕自身の評のみ、それも一部だけ)
タイトル監督 船越の評価         
アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
2015年
監督:ギャヴィン・フッド6点 終盤まで緊迫感が続く。だがストーリー設定は感心しない。英国がケニヤ人少女一人のために攻撃を躊躇する。ありえない。傷ついた少女一人を、過激組織の兵士たちが兵器を放り捨ててまで病院へ搬送する。ありえない。〔ふ〕 無人機からテロリストを爆殺
ヘレン・ミレン、アラン・リックマン
悪女 AKUJO
2017年
監督:チョン・ビョンギル8点 韓国映画ならではの体を張ったアクション。長回しのまま、主演女優がノースタントでハードなアクションをこなす。バイクチェイスしながらの乱闘はさすがにスタントだろうけど。韓国版のニキータは情が深い。けっして悪女ではありません。〔ふ〕 キム・オクピン、シン・ハギュン
アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場
2017年
監督:アク・ロウヒミエス9点 戦場に叩き込まれた気分。フィンランド人なら人ごとじゃないので激しく心揺さぶられただろう。涙なくしては見れないだろう。カレリア地方の大半は今もロシア領だと、あとで調べて知った。ロシアの自治共和国だった。ここはフィンランドだろう。〔ふ〕 フィンランドの対ソ戦争
生きてるだけで、愛。
2018年
監督:関根光才8点 トータルとして好きな映画。脇役でも目立つ趣里がここでは主演全開でぶっ飛んでいる。対する菅田将暉は「動」に対する「静」で、立ち位置が難しい。仲里依紗が面白い役どころを楽しそうにやっている。まるで地のまま。〔ふ〕 本谷有希子原作
田中哲司、西田尚美、松重豊、石橋静河、織田梨沙
1987、ある闘いの真実
2017年
監督:チャン・ジュナン9点 リアリティを損なう演出で残念な出来の『タクシー運転手』と同傾向なので懸念したが、上質の娯楽映画に仕上がっていた。人権も民主主義もない独裁社会。そっちの方向へフラフラ向かっている国が今ある。国民が自分の頭で考えなくなると、口先ばかりの独裁元首が立ち現われる。最後に「アレ?あんた主演じゃなかったの?」という人が出てくる。〔ふ〕 拷問死を隠蔽する公安
ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン、キム・テリ
ウィッチ
2015年
監督:ロバート・エガース8点 どいつがワルかというミステリー的な興味もあったが、伏線がほとんどなくて先が見えん。悲惨なストーリーで、目は釘づけ。ヒロインのアニャ・テイラー=ジョイは『スプリット』よりもこちらが格段に魅力的。要注目の女優。〔ふ〕 狂信的な男の一家で、赤ん坊が神隠しに
エクス・マキナ
2015年
監督:アレックス・ガーランド8点 日本公開が決まる前から注目してた一作がついに京都公開。生身の肉体よりロボットの体のほうがエロいと感じさせるCGデザイン。デザインというものはこうでなくっちゃ。〔ふ〕 ロボットは人を恋するか? アリシア・ヴィキャンデル
エッシャー 視覚の魔術師
2018年
監督:ロビン・ルッツ8点 遊び心満載の映像が楽しい。できたらもう一度じっくり観たい。グラハム・ナッシュがエッシャーに電話した。「アーティストじゃなく数学者だ」と言ったそうな。たしかにアーティストとは対極にある人生とライフスタイルだ。〔ふ〕 エッシャーのドキュメンタリ
オケ老人!
2016年
監督:細川徹8点 『がんばれ!ベアーズ』老人楽団篇とでもいうべきか。フランス映画の『オーケストラ!』ともどことなく響きあう。去年の『マエストロ!』も大好き。オーケストラコメディと相性がいいのかも。〔ふ〕 杏、笹野高史、左とん平、黒島結菜、坂口健太郎
お父さんと伊藤さん
2016年
監督:タナダユキ8点 かなり久しぶりの上野樹里。予感はあったが低迷を脱して完全復活。というより、以前以上。円熟味がにじむ。勝手に主演女優賞に推しときますから。親子の和解に向かう話は苦手です。藤竜也演じる自己中老人が目をむいてがなる姿には嫌悪感を覚える。僕の父親からあんなふうに怒鳴られたことはないけど。〔ふ〕 カップルの部屋に親父がころがりこむ 上野樹里、藤竜也、リリー・フランキー
帰ってきたヒトラー
2015年
監督:デヴィッド・ベンド7点 事前アポなしでドイツ国家民主党などの本部を訪れ、アドリブで党首らと論争している。「どっきりカメラ?」なんていうリアクションでドギマギしてる政党関係者たちが面白い。街に出ると大うけで、ツーショットされまくり。全部ナマでアドリブ。ヒトラー役者が実物と似てないからこそジョークとして受けている。似てたら拒絶感あるはず。ヒトラーが一般大衆に受け入れられる傾向が見えるという紹介は誤り。〔ふ〕 死んだはずのヒトラーが現在に現われる
彼女がその名を知らない鳥たち
2017年
監督:白石和彌8点 宣伝コピーの共感度0%は正解。全員好感度ゼロ。エンドは予測できず。阿部サダヲは不思議なキャラで、長く記憶に残りそうだ。原作そのままとはいえ、覚えにくい言いにくいタイトルはどうにかならなかったのか。〔ふ〕 蒼井優、松坂桃李、竹野内豊
菊とギロチン
2018年
監督:瀬々敬久8点 特別興行として割高に設定されてたのには驚いたが、内容ぎっしりで、まあ納得かな。ヒロインに抜擢した新顔の木竜麻生(きりゅうまい)が大正解。他のキャスティングも納得印。音楽センスもよく、今年の日本映画の収穫。〔ふ〕 女相撲一座とテロリストグループ
キングス・オブ・サマー
2013年
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ7点 傑作かもという期待はあっさりスカされる。大人視線で見たら、単に人騒がせな子供たちっていうだけかも。終始エイリアンなビアッジオ少年はGood!。〔ふ〕 家出してマイホームを作る高校生3人
キングスマン:ゴールデン・サークル
2017年
監督:マシュー・ヴォーン8点 ポピュラーソングのあの御大が老体に鞭打ってハードなアクション。ジュリアン・ムーアは『ハンニバル』のクラリスで違和感あったが、悪役だとしっくりきて、安心して見てられる。〔ふ〕 コリン・ファース、タロン・エガートン、マーク・ストロング、ハル・ベリー、チャニング・テイタム
蜘蛛の巣を払う女
2018年
監督:フェデ・アルバレス8点 ノオミ・ラパスからルーニー・マーラへ、そしてクレア・フォイ。三代目のリサベット。なかなかいい面構えだ。山場の連続演出で、一瞬たりとも気を抜いて観られない。なぜかデータベースサイトでの一般投票の評価がかなり低い。何が気に入らなかったのか。〔ふ〕 「ミレニアム」シリーズ
クリーピー 偽りの隣人
2016年
監督:黒沢清7点 香川照之って、『ゆれる』の頃からまともな人間性を持ってないと密かに思い続けてたが、やはりそうなんですね。creepyだから「不気味さ」をかもさなきゃいけないのに、顔に出るのは「不愉快」のみ。ほぼノーメイクでそれを出せる役者は世界的にもほとんどいない。原作を読みたくなった。映画には明示されなかったことが多すぎる。〔ふ〕 西島秀俊、香川照之、東出昌大、竹内結子
クワイエット・プレイス
2018年
監督:ジョン・クラシンスキー7点 息をひそめて一家を見守った。設定などに関してはツッコミ多数あり。ずっと裸足だが、スニーカーを履けばいいのに。視力のない生物の多くは嗅覚が発達する。そうした生物学の常識に疎すぎる。ミリセント・シモンズは当たり役が続く。聾唖俳優というハンデを乗り越えてビッグになれるか。〔ふ〕 ジョン・クラシンスキー、エミリー・ブラント
軍中楽園
2014年
監督:ニウ・チェンザー8.5点 娼婦であるヒロインにリアリティがないという批判が出そうだ。が、高貴で美しいレジーナ・ワンに目が釘づけ。俳優が魅力的なのは全配役、徹底している。役者がいいと観るほうも気合が入るというもの。今年の外国映画を代表する一本になった。〔ふ〕 台湾金門島の軍人専用娼館に勤務する若い兵士
工作 黒金星と呼ばれた男
2018年
監督:ユン・ジョンビン9点 近過去の政治状況を描く韓国映画は秀作が多い。北朝鮮の対外経済委員会所長を演じるイ・ソンミンがいい。韓国側のスパイ、ファン・ジョンミンとの友情が温かく、リアルに感じられる。〔ふ〕 工作員として北に潜入
COLD WAR あの歌、2つの心
2018年
監督:パヴェル・パヴリコフスキー7点 『芳華 Youth』のような出だしだが、映画の空気は大きく異なる。主人公男女二人の気持ちがつかめず、入り損ねる。なんでこういう展開になっていくのかもわからないまま。帰ってからポーランドの民族音楽について猛烈に調べた。テーマ曲はソ連の曲らしい。〔ふ〕 別れと再会をくり返す歌手とピアニストの15年 ヨアンナ・クーリク
哭声 コクソン
2016年
監督:ナ・ホンジン:8.5点 肝心なことを明らかにしないまま終わる。しかし今年ここまで観た映画のベスト。何を書いてもネタバレっぽくなるので、サイト(ネタバレしても委員会)に書くことにする。〔ふ〕 オカルトホラー
この世界の片隅に
2016年
監督:片渕須直8点 日本映画の良品がヒットしてるのは嬉しい。戦前戦中の生活を淡々と描いている。あえてドラマティックに盛り上げるのを避けているかのような。現実を歪めまいとするかのように。〔ふ〕 原作:こうの史代 声:のん(能年玲奈)
婚約者の友人
2016年
監督:フランソワ・オゾン8点 いかにもミステリーっぽい予告篇。どんなどんでん返しがあるのかと期待してしまった。ストーリーは脇に置いて、妙な雰囲気が全体を覆う。監督はフランス人なのにドイツ中心。モノクロ中心のパートカラー。どういう意図があるのか。〔ふ〕 戦死した婚約者の墓参りに来た元ドイツ兵を迎える女
パウラ・ベーア、ピエール・ニネ
心と体と
2017年
監督:イルディコー・エニェディ8点 監督の名前だけで映画観るの、何十年ぶりだろう。奇妙な恋愛風景。見ているうちにこの二人に対する愛着が強くなった。監督のデビュー作『私の20世紀』はもう一度観たい映画のトップに挙げられる。夢の中の鹿の撮影がうまいと思ったら、2頭の鹿はともに役者鹿だった。エンドクレジットに名前が挙がっている。〔ふ〕 眠ると同じ夢の世界にいる男と女
孤狼の血
2018年
監督:白石和彌8点 ずしっ、どしんっ、とくる感触。役所広司にはできたら心底から悪い奴を演じてほしかった。阿部純子は吉永淳という芸名で出演していた『2つ目の窓』とは別人のような成長ぶりで、喜ばしい。今後も期待している。〔ふ〕 広島のマル暴の刑事
松坂桃李、真木よう子、滝藤賢一、ピエール瀧、石橋蓮司、江口洋介
砂上の法廷
2016年
監督:コートニー・ハント8点 ラストに明かされるまで裏を読めず、疑いもせず。終わってから逆回転で反芻するも、真実の読めない部分がいくつも残る。たぶんあの証言は虚偽だったんだろうな、ぐらい。ネタバレ回避のために書きにくいが、ちょっとずるい手法を使っている。〔ふ〕 父親殺し容疑の青年を弁護する キアヌ・リーブス、レニー・ゼルウィガー
シークレット・アイズ
2015年
監督:ビリー・レイ8点 エンドがリメイク元とちょっと違っている。シナリオが巧みで、オリジナルに負けてない。ただ、13年の歳月の差が顔に出てないのは気になる。観ててまごつくし。〔ふ〕 キウェテル・イジョフォー、ニコール・キッドマン、ジュリア・ロバーツ
ジェイソン・ボーン
監督:ポール・グリーングラス8点 シリーズ原作(ラドラム『暗殺者』)からは遠く離れて。満足はしたけど、当然ながら第2作を超えてない。マット・デイモンもジュリア・スタイルズもずいぶんお年を召したという感じ。これで最終なんだよね。え?まだ出るの? シュワちゃんじゃあるまいし。〔ふ〕 CIAが生み出した秘密兵器が自らの出自を調べる マット・デイモン、アリシア・ヴィキャンデル
ザ・スクエア 思いやりの聖域
2017年
監督:リューベン・オストルンド4点 エキストラを含め、スクリーンは徹底して嫌悪感をもよおす人物で埋めつくされている。前作は観てないが、監督は人間嫌いか。最も不快だったのは、女性記者(猿男ではなくて)。〔ふ〕 現代アートの展覧会を準備する美術館
ジュピターズ・ムーン
2017年
監督:コルネル・ムンドルッツォ8.5点 どうやって撮影したのかがわからないようなシーンが頻発する。気がついたら長回し撮影。カットを割らずに浮遊するシーン。CGや合成ではなさそう。映像や音響のセンスは抜群で、快適だ。ハンガリー映画なんだ。いつのまにか世界の映像の最先端をいっている。〔ふ〕 宙を舞う青年
スプリット
2017年
監督:M・ナイト・シャマラン7点 えぐい顔のアップの多い映画で最前列。気色悪いジェイムズ・マガヴォイの顔を押しつけられたくない。ヒロインの回想で意味不明な箇所があって気になる。彼女のおじさんがやたら怪しいが、あれがなんなのか、よくわからない。〔ふ〕 24人格の男が3人の娘を拉致監禁する
アニャ・テイラー=ジョイ
スリー・ビルボード
2017年
監督:マーティン・マクドナー8.5点 ブラックな笑いをまぶすのが僕の好みに合う。ストレートで笑いのない『デトロイト』とは好対照。今年のベストワンの可能性もある。初顔合わせの監督さん。只者ではない。〔ふ〕 広告看板に警察への批判メッセージを設置した女性
フランシス・マクドーマンド
世界は今日から君のもの
2017年
監督:尾崎将也8点 門脇麦を当て書きして作ったようなキャラ。と思ったら、その通りだった。やりすぎ感もあるが、門脇麦のイメージそのまんま。絵描きさんの話なので、人ごとと思えず、つい応援してしまう。自らを振り返ると、飛び抜けた才能はないなとつくづく思う。〔ふ〕 ひきこもり女、頑張る
三浦貴大、マキタスポーツ、比留川游、YOU
ソング・オブ・ザ・シー 海のうた
2014年
監督:トム・ムーア8点 アイルランドのアザラシ女伝承を元に。映像ヴィジュアル、素晴らしい。アイルランドの妖精文化や伝承物語に疎い普通の日本人にとって、ストーリーをのみこむのは厳しそう。せめて「セルキー」「セルキーのコート」を「アザラシ一族」「アザラシの皮」と訳さないと。〔ふ〕 アイルランド伝承をアニメに
ターミネーター:ニュー・フェイト
2019年
監督:ティム・ミラー8.5点 そもそもこのシリーズは論理的な矛盾だらけだし、リンダ・ハミルトンは以前にもましてすごい鬼瓦になってるし。でもこのシリーズ、面白くて好きです。『3』をなかったことにしての『1』『2』の続編ということ。しかし方向性としては『3』と同じだと、僕は思ったのですが(クレア・デインズがナタリア・レイエスに置き換わっただけ)。〔ふ〕 アーノルド・シュワルツェネッガー
タクシー運転手 約束は海を越えて
2017年
監督:チャン・フン8点 楽しみはしたけど、いろいろ小骨が突き刺さるような。ドイツ人記者は身の安全を考えなさすぎ。光州の韓国人が命を投げ出してまで英雄的行為に走るのも納得いかない。あれこれの違和感、なぜそういう演出をしたかはわかるが、ありえなさすぎる。〔ふ〕 1980年の光州事件を取材する
ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン、ユ・ヘジ
立ち去った女
2016年
監督:ラヴ・ディアス8点 3時間48分のモノクロ映画。フィリピン映画のマイナー系。おまけに料金割高という、三重苦を背負った映画だが、初日に駆けつけた。背景にあるフィリピンの下層世界がドラマを超えて生々しく迫る。トンデモな映画体験をした気になった。〔ふ〕 無実の罪を着せた男に復讐を目論む女
旅のおわり世界のはじまり
2019年
監督:黒沢清7点 芸達者な若手俳優ばかりで、安心して作品世界にひたっていられる。ただしツッコミどころは多い。前田敦子がウズベキスタンの知らない夜道を一人でウロウロとか。そこは安心して見てられない。〔ふ〕 染谷将太、柄本時生、加瀬亮
007 スペクター
2015年
監督:サム・メンデス8点 定番メニューながらハラドキ感満載で楽しめる。クリストフ・ヴァルツ、悪党をやらせたら絶品。まともな人生歩めませんね。〔ふ〕 ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レア・セドゥー
だれかの木琴
2016年
監督:東陽一7点 佐津川愛美と木村美言(娘役)以外、みんな落ち着き払いすぎてる。なのでドラマのテンションも上がらない。佐津川が一人いきり立っている。もうちょっとうろたえてほしい。ラストも次の犯行予告かと思いきや、はっきりしない。〔ふ〕 美容師をストーカーする女 常盤貴子、池松壮亮、佐津川愛美
ちいさな独裁者
2017年
監督:ロベルト・シュヴェンケ7点 リアリティを無視したトンデモ話を作ってくれたと喜んでたら、ラストで実話ネタとわかる。実話に寄りかかる企画なのがちょっと残念。でもエンドクレジットではハチャメチャ。現代のドイツの街中にヘロルト親衛隊を出現させ、事態をのみこんでない市民にやりたい放題。〔ふ〕 大尉の軍服を拾ったドイツの脱走兵
沈黙 サイレンス
2016年
監督:マーティン・スコセッシ6点 いろいろ文句はあるが、言語の問題に引っかかる。ポルトガル人が英語を喋り、日本人がポルトガル語+英語を喋っている。ポルトガル語はパードレとパライソのみ。それをポルトガル人がファーザー、パラダイスと言い換えている。それでポルトガル語だと言っている。変すぎる!〔ふ〕 遠藤周作原作
日本のキリシタン弾圧
月と雷
2017年
監督:安藤尋8点 草刈民代が自堕落おばさん。これだけでも観る価値がある。主演の初音映莉子にとっても大切な代表作。原作通りながら、このタイトルでは映画観客には訴求しない。〔ふ〕 角田光代原作 高良健吾、藤井武美、黒田大輔
10 クローバーフィールド・レーン
2016年
監督:ダン・トラクテンバーグ8点 エンド直前まで状況を伏せ、緊張感をあおる。反面、状況がわかってしまうと普通の◯◯ものになってしまう。ガソリンのない酒瓶は火炎瓶にならんというツッコミを別にすれば満足レヴェルです。〔ふ〕 ジョン・グッドマン、メアリー・エリザベス・ウィンステッド
ドント・ブリーズ
2016年
監督:フェデ・アルバレス8点 盲人の殺人者に襲われる。思わずこっちが音たてないよう息を殺してしまう。決着つけてないので、続編作る気、満々の様子。〔ふ〕 『暗くなるまで待って』の逆パターンスリラー
唐山大地震 想い続けた32年
2010年
監督:フォン・シャオガン8点 涙腺決壊映画。ほぼ10年ごとに刻まれるドラマを同一俳優が演じ続けるので、容貌の変わらなさは気になる。なんでもないシーンでも映像が美しく、監督のこだわりを感じる。〔ふ〕 生き別れになった家族
トンネル 闇に鎖された男
2016年
監督:キム・ソンフン8点 韓国のダメさ加減を自嘲する自虐を含め、てんこ盛り状態。他の映画にない突出した要素が乏しいのは難だが、ラジオ放送局で思いを吐露したあとのペ・ドゥナは、ペ・ドゥナでなければならなかった必然性を証明していた。いっしょに閉じ込められたパグのテンイは「おバカちゃん」ぐらいの意味らしい。〔ふ〕 トンネル崩落事故で閉じ込められた男
ハ・ジョンウ、オ・ダルス
永い言い訳
2016年
監督:西川美和9点 予告篇がアレだったので今回はペケかと誤解した。ぜんぜん別物みたいに違う。誰もが指摘しそうだが、子役が素晴らしい。特に五六才の女の子のほう。演技とは思えん。映画ごとに顔を変えるカメレオン女優山田真歩も健在だ。〔ふ〕 浮気の最中に妻が事故死 本木雅弘、黒木華、竹原ピストル、深津絵里
日曜日の散歩者 わすれられた台湾詩人たち
2015年
監督:ホアン・ヤーリー8点 詩を現代アートの映像作品に転換している。言葉と文章、絵と彫刻、音楽と写真と映像の総合芸術。ドキュメンタリの枠組みからは完全に逸脱している。欲張りすぎな印象もあるが、刺激的で、もう一回観たい。〔ふ〕 日本語で新しい台湾文学を作ろうとした詩人たち
寝ても覚めても
2018年
監督:濱口竜介8.5点 強烈な映画。ヒロインの唐田えりかはあどけない顔を崩さない。だからこそインパクトがある。占部房子に雰囲気の近い人がいる、と思ったら占部房子だった。顔もろくに映らない役で。〔ふ〕〔ふ〕 東出昌大、瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、田中美佐子、渡辺大知、仲本工事
残された者 北の極地
2018年
監督:ジョー・ペナ7点 こういう厳しいサバイバルもの、好きなんです。若い女性のほう、ドラマに関わってくると思ったのですが。マッツ・ミケルセンはなんというか、助かるほうへ行かなきゃならんところで、なんで逆行くかね。〔ふ〕 遭難した二人
パターソン
2016年
監督:ジム・ジャームッシュ8点 手書きで書かれる詩が美しい。文章が美しい。日本語とは違った美しさがある。エンドクレジットを見てブルドッグのネリーが映画完成前に亡くなっていたことを知った。作品というものは(この場合は詩だが)、まわりがもてはやすほどには作者自身は大層に思ってない。消失してもさほど落ち込まない。〔ふ〕 バス運転手の詩人
アダム・ドライヴァー
ハロウィン
2018年
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン8点 被害者側と加害者側。追う者と追われる者の立場が逆転しかけている印象。再対決に備え、元の被害者が40年をかけて準備している。れっきとした狂気です。狂気と狂気の激突。常識を超えた悪鬼には非常識が唯一の対抗武器。〔ふ〕 第一作から40年後の再対決 ジェイミー・リー・カーティス
ヒメアノ~ル
2016年
監督:吉田恵輔8点 このところずっと、いろんな意味で「ヤバイ系」の映画ばかり観てる気がする。森田剛が演じるこの連続殺人犯もまた、振り切れている。それでいてごく普通にいそうな危うさ。他の殺人鬼と違って妙に感情移入したくなるやつです。〔ふ〕 濱田岳、佐津川愛美、森田剛、ムロツヨシ、山田真歩、山中聡
ビューティフル・デイ
2017年
監督:リン・ラムジー8点 全身からヤバそうな空気が噴出するホアキン・フェニックス。行く手を遮る男たちをハンマーで殴り倒していく。存在そのものがぶっ飛んでいる。〔ふ〕 行方不明者捜索人が少女を救出
エカテリーナ・サムソノフ
プライベート・ウォー
2018年
監督:マシュー・ハイネマン8点 腰の入った制作に敬意を表する。主役のロザムンド・パイクがインバクトある。ラストで実物のメリー・コルヴィンの姿が見られる。役者より実物が美形だった。〔ふ〕 女性戦場記者メリー・コルヴィン
ブラック・クランズマン
2018年
監督:スパイク・リー8点 背景となる時代は古いが「おバカな差別主義者を米国人が大統領に選ぶわけない」とか、今の米国民を痛烈に皮肉るセリフがあった。ラストも大笑い。映画なんだからこういうお楽しみがなきゃね。ジョン・デヴィッド・ワシントンの声色は癖がありすぎで、アダム・ドライヴァーとの二人一役は無理と思う。〔ふ〕 KKKへの潜入捜査に挑む黒人警察官 ローラ・ハリアー、トファー・グレイス
ブレンダンとケルズの秘密
2009年
監督:トム・ムーア8点 ケルズの書の世界を感じさせる美しいアニメ。ブリテン島がアングロサクソンに攻めたてられていたのと同様に、アイルランドも激しくヴァイキングに侵略され、悩まされていたことを感じさせる。反面、ヴァイキングは凶暴な魔物扱いで、スカンジナヴィアの人たちにとっては不愉快だろう。〔ふ〕 ケルズの書が書かれる
フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法
2017年
監督:ショーン・ベイカー8点 放し飼いの野獣たちが暴れまくってるような映画で、「このまま目立ったドラマもなく終わるのか」と思いかけていた。そんなわけないだろ。ハッと息を呑むよなエンディング。貧富の落差と孤独感が短いシーンに凝縮される。インパクトと重い余韻を残した。〔ふ〕 貧民が集う安モーテル
ウィレム・デフォー
芳華 Youth
2017年
監督:フォン・シャオガン8.5点 映像センスが秀逸。役者も美麗で、目に嬉しい。主演の二人より、語り手の女性のほうに感情移入する。香港がからむアクション大作か、超マイナーしか中国映画は基本、海外に売れない。純中国の娯楽映画が公開されるのはいいことだ。フォン・シャオガンの映画を2本立て続けに観て、中国の漢字表記には簡体字以外にもう一つ字体があることを知った(繁体字ではない)。それをなんというのかは知らない。〔ふ〕 中国軍慰問芸能団の文工団の若者たち
ボーダーライン ソルジャーズ・デイ
2018年
監督:ステファノ・ソッリマ9点 ジョシュ・ブローリンのおっさんぶり、ええなあ。憧れるなあ。まだ続編があるのかな。〔ふ〕 CIA対メキシコ麻薬組織の戦争
ベニチオ・デル・トロ、イザベラ・モナー、マシュー・モディーン、キャサリン・キーナー
万引き家族
2018年
監督:是枝裕和8点 『誰も知らない』は家族を死守するために奮闘する話だった。こちらはニセ家族を共同で妄想する話。ふわりと温かさがにじむ。樹木希林の「おしゃべりの男って、ダメねぇ」というセリフに思わず手を叩きそうになった。リリー・フランキーが少年から「僕を捨てて逃げたの?」と聞かれ、「ウン…。ごめん」と言ったのも心に残る。〔ふ〕 安藤サクラ、松岡茉優、高良健吾、池脇千鶴
ミッドナイト・バス
2018年
監督:竹下昌男8点 知らない監督、地味なキャスト、2時間半を超える長尺。バクチだったが、当たりと出た。家族の物語にじんわりとひたりきった。切なさ、哀しさが沁みるようだ。娘役の葵わかなは演技の振り幅が大きい。将来有望。〔ふ〕 原田泰造、山本未來、小西真奈美
無垢の祈り
2016年
監督:亀井亨8点 人に勧めるのを躊躇するぐらい、いやーな空気が充満している。異常な世界だが、現実にありうる世界。少女が絶望して発する言葉が痛い。〔ふ〕 義父に虐待される少女
メアリーの総て
2017年
監督:ハイファ・アル=マンスール8点 エル・ファニングが美しく撮られている。それだけで見る価値がある。義妹役のベル・パウリーは要注目だが、あとで調べるまで『マイ・プレシャス・リスト』の主演だと気づかなかった。メアリーの父親は「他人の思想や言葉を振り払え、自分の声を探せ」と言う。受け売りでは何者にもなれない。〔ふ〕 フランケンシュタインの怪物を生んだメアリー・シェリー
焼肉ドラゴン
2018年
監督:鄭義信6点 泣き笑いの映画を期待したが、笑いは不発。テンポ悪いです。日本の不機嫌顔女優ナンバーワンの井上真央は健在でした。以下、少々ネタバレが入るので、要注意。この映画、韓国人を悪く描いてるわけではない。なのに、どうして?と思わざるをえない演出がある。父親が息子を自殺に追い込む。それでいて悔悟の念がない。どうかしてる。〔ふ〕 真木よう子、桜庭ななみ、大泉洋、イ・ジョンウン、キム・サンホ
野盗風の中を走る
1961年
監督:稲垣浩9点 時代劇の隠れた名作を発見。サスペンスフルなシナリオ。練り込まれた脚本。『十三人の刺客』以来の興奮状態。感動しました。原作者である演劇人の真山美保にも興味が湧いた。野武士と村人との関係は『七人の侍』と正反対に近い。どっちが正解とも言えないが。〔ふ〕 夏木陽介、佐藤允、市川染五郎、笠智衆、松本幸四郎、雪村いづみ
友罪
2018年
監督:瀬々敬久7点 無関係なエピソードが並走する。最後に一本の話にまとまるわけじゃなく、バラバラのまま。予告篇はあざとくも一本の話にまとめていた。夏帆は幸薄い女を演じるとなぜこんなにはまり込んでしまうんだろう。〔ふ〕 生田斗真、瑛太、佐藤浩市、山本美月、富田靖子、西田尚美、村上淳、片岡礼子、石田法嗣、古舘寛治
湯を沸かすほどの熱い愛
2016年
監督:中野量太8点 演技アンサンブルが上々。むしろできすぎの感も。杉咲花にとっては出世作になった。『トイレのピエタ』の力強さから一転し、か弱さが本来のキャラかと思えるほどしっくりくる。〔ふ〕 宮沢りえ、篠原ゆき子、オダギリジョー
映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ
2017年
監督:石井裕也4点 観始めてすぐ、レンタルするんじゃなかったと後悔。劇場段階での観る観ない判断はたいてい当たっている。去年の日本映画のワースト1だ。「言葉に頼りすぎると退屈な女になっていく」と看板にデカデカと。そこだけ面白かった。〔ふ〕 最果タヒの詩集をもとに 石橋静河、池松壮亮
夜は短し歩けよ乙女監督:湯浅政明6点 評判がいいのでちょっと観てみようかと思ったが‥。わけわからん。途中で止めようかと思った。終わった途端、ストーリーのほとんどが頭から消えた。[YouTube]〔ふ〕 森見登美彦原作のアニメ
リップヴァンウィンクルの花嫁
2016年
監督:岩井俊二8点 不思議の国にはまりこんだアリス。黒木華。ときおり華やかにぱっと輝く表情を見せる女優。彼女を愛らしく見せるために作られた映画。スルーはできない。映画の中で説明されていない重要な背景がある。前半で黒木をハメた人間は最後まで明示されない。全体の流れとタイトルから類推するしかない。本ボシは○○○○○のはずなのだが、ほのめかしもしないので自信がない。〔ふ〕 黒木華、綾野剛、Cocco、りりィ
リバーズ・エッジ
2018年
監督:行定勲8点 やばいムード満々。秘密の白骨死体を共有する3人の高校生。ストーリー進行とは無関係に、映画のキャラクターにインタビューする映像が時々はさまる。これって台本ないでしょう。みんななりきって答えてるのが面白い。登場する若手俳優の中で、初めて見るSUMIREが只者ではない! 何者?と調べると、浅野忠信とCHARAの娘でした。〔ふ〕 岡崎京子原作
二階堂ふみ、吉沢亮、森川葵
ルーム
2015年
監督:レニー・アブラハムソン8.5点 ラストにぐっ、ときた。母親とってルームは監禁場所。だが子供の目には懐かしいふるさと。帰ってきて残された物たち別れを告げるシーンに泣けてくる。〔ふ〕 監禁された母と子 ブリー・ラーソン
ROMA/ローマ
2018年
監督:アルフォンソ・キュアロン8.5点 予告篇に欺かれたというか、アートフィルムだとばかり思っていた。予告にはこの映画に強く出ているエモーショナルな部分が皆無だ。実にわかりやすく、静かに感動した。武士道精神というのは欧米では高潔なものという誤解があるが、下劣な心と同居しうるものとして暴いて見せている点も高評価。〔ふ〕 監督自身の半自伝的な物語
ろくでなし
2017年
監督:奥田庸介8点 ヒロインの遠藤祐美が素晴らしいが、調べてもほとんど情報がない。これといった経歴にも乏しい。ベテランに近くなった渋川清彦は渋さを増していい役者だ。主演は大西信満だが、こういう口下手生真面目タイプは男からも女からも好かれないように思うんだが、どうだろう。〔ふ〕 渋谷という町に生息する男と女
上原実矩、大和田獏
ワンダーストラック
2017年
監督:トッド・ヘインズ7点 映像ではなく映画的なマジックによる驚きを期待していた。少年の家族の物語をもっとていねいに描けなかったか。そこの厚みがないと話が弱くなる。もう一人の主人公を演じたミリセント・シモンズは表情が豊かで惹かれる。観たあとでミリセントの映画デビューだったことを知った。そして聾唖者の俳優だったことも。〔ふ〕 オークス・フェグリー、ミシェル・ウィリアムズ、ジュリアン・ムーア