誤用誤用と云ふ勿れ




誤用誤用と云ふ勿れ



 日本語の誤用に関しては、本格的に作り込んでくれている辞典がネット上にある。
 誤用にご用心。http://starscafe.net/kotoba/misuse/
 misuse = 誤用。誤用問題についてはずっと気にかけていたが、自分で本格的な誤用辞典を作らなくてすんで、ほっとする。むやみやたらと自分の仕事の守備範囲を広げる余裕はない。

 一年ぐらい前、「真逆」という言葉を新聞で見つけた。「まさか」ではなかった。「逆」を強調する意味で使っている。「まぎゃく」と読んでいることを知った。初めて見る用法だった。「まさか」の漢字表記は「真逆」です。関連はない。使ってる人はそう読むことを知らないで使ってるようだ。
 調べてみると2004年の新語だった。新たに作ったのなら「誤読だ」と言い立てることもできん。

 誤用で目立つものに「王道」がある。これは正しい用法が完全に廃れて使われなくなり、「正統派」というような、「真逆(まぎゃく)」の意味でしか使われなくなった例です。最近の辞書ではひょっとしたら新しい用法に言及してるものがあるかもしれないが、まだ見たことはない。辞書屋さんの怠慢だと思う。さっさと新用法を載せなさい。

 誤読で目につくのは「一段落」の「ひとだんらく」。最近のパソコン辞書は親切になって、「ひとだんらく」と誤入力しても「一段落」と変換してくれます。いいんだか悪いんだか。わざわざ書くまでもないが、正しくは「一段落」。
 映画『東京家族』や『小さいおうち』でベテランや中堅の俳優までもが「ひとだんらく」と言ってるのを聞くとがっかりする。ともに監督が山田洋次なので、ひょっとしたら監督自身が勘違いしてるのかもしれない。

 うちの日本語システムでは「どくだんば」と誤入力しても「独壇場」とは変換してくれません。「ふいんき」も「雰囲気」にはならない。そのうちどんどんよけいな親切が増えてくるような気もする。

 送り仮名表記で気になるのは、「その話は」といったときの「話」。これを「話し」とする人が少なからずいる。動詞的意味の含まれない名詞形の場合、送り仮名を入れるべきではない。見かけるたび、意味がねじれて見えて気持ちが悪くなる。「次ぎの」の「ぎ」も同様。見て、気分悪くなりません?

ひょっこり通信 2013.10.6




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