長岡京市の裏百景 第2号 開田の痕跡水路(旧西小路川)
かつて存在していた水路の跡のことを「痕跡水路」と呼んでいます。自分で勝手に
そう言っているだけです。そういった水路跡は各地で見られます。地図上でもその存
在を類推することは可能です。
長岡京市の開田は、今は阪急の駅があって中心地ですが、阪急ができる以前は農地
でした。今でも駅のすぐ近くに農地が残っています。
古い地図を見ると、この近辺に多数の農業用水路があったことがわかります。今は
ほとんど消滅しています。水路のあったことを示す、使用されない通路が部分的に残
っています。痕跡水路というやつです。
東西に走る西小路川の痕跡水路は、鉄条網(有刺鉄線ではなく)により封鎖され、
立ち入り禁止になっています。狭すぎて利用の方途がなく、やむなく「死に地」にし
たということでしょう。もう少し広ければ道になってただろうし、さらに広ければ宅
地か公園になっていたでしょう。そうなっている例は各地にあります。ここは駅周辺
の大規模な再開発でもないかぎり、このままです。
こちらは不明水路。西小路川とクロスして
南北に走っています。古い地図に載っていま
せん。
地図上ではっきり確認できる痕跡水路の例として、大阪市西淀川区の大野川があり
ます。全長3.5キロにも及ぶ遊歩道として整備されていて、市民の憩いの場所とな
っています。
2010.1.8